古今東西、枕には実にさまざまな形態が。枕にもその土地の風土や文化が反映。
- ●世界にはその土地の気候や歴史を反映した、多種多様なまくらがあります。
- 高温多湿な東南アジアでは、竹や籐で編んだまくらが多く使われています。通気性がよく、ひんやりした触感が気候に合っているのでしょう。頭にするまくら以外にも、竹を長めの円柱形に編んだ「抱きまくら」を、現在も使っている地域があります。
日本でも蒸し暑い夏になると、昼寝用に籐やビニールで編んだまくらを、今でも使っている家庭があります。
- ●中国のまくら
- 中国では、陶製のまくらや漢方薬を詰めた布製のまくらなど、歴史のある国だけあって、実にさまざまなまくらが使われてきました。
毒を持った蛇や昆虫の刺繍をしたまくらを、子供の魔除けに使う風習を今も残している地域があります。この子供用魔除けまくらの中央には、直径6~8センチくらいの穴が開いているものがあります。実はこの穴、子供の耳の発達を妨げない為にあけられているのです。近年使われだした赤ちゃん用の「ドーナツまくら」に通じる所があると知って、驚きです。
- ●タイのまくら
- タイには小さな三角形のクッションを積み重ねた、三角まくらがあります。昔はタイの貴族が昼寝用に使ったものでしたが、今では広く一般に使われるようになっています。
- ●まくらをして眠る習慣を持たない人々もいます。
- アフリカに住むサン族や、オーストラリアの先住民アボリジニの一部は、まくらをしません。これは耳を地面につけて眠ることで、近づいてくる獲物や危険な動物の足音を、眠っているときでも察知するためだと言われています。
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